昭和55年04月15日 衆議院 農林水産委員会

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日本共産党 中林佳子
日本海ではいよいよ5月1日からイカ漁が解禁を迎えるわけです。当然竹島問題がクローズアップされてくるわけです。日本の主権にとっても、また漁業にとっても非常に大切なこの竹島、私はまず竹島問題についてお尋ねしたいと思います。

1955年7月25日、参議院の内閣委員会で当時の鳩山一郎首相がこうおっしゃっているわけです。「率直に言えば、竹島は日本の領土です。日本の領土を占領せられたのでありまするから、これは侵略と見るのが妥当で、自衛権の発動はできるわけであります。」竹島はその後兵舎等の建築物がふえたりあるいは韓国兵がふえたということ以外の事態は変わっていない、このように聞いているわけです。

そこで、政府にお伺いするわけですが、こうした一連の見解に、いまの政府のお考えも変わりがございませんかどうか、その点についてお伺いします。

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政府委員(農林水産政務次官) 近藤鉄雄
竹島が日本の領土であるという政府見解については何ら変更はございません。

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日本共産党 中林佳子
領土だということはお認めになっているわけですが、当時の鳩山一郎首相がおっしゃっているいわば侵略されているという見解、これについての御見解はどうなんですか。

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政府委員(農林水産政務次官) 近藤鉄雄
先生御指摘がございましたように、現実に韓国の人たちが竹島にいることも事実でございますし、この問題につきましては、日韓政府間交渉の中で常に当方の主張を向こうに申し述べているわけでございますが、向こう側の入れるところではなく、依然としていまのような現状が続いておりますことは残念に思うわけでありますが、やはり日韓関係はあくまでも話し合いで……

(中林委員「侵略されているかどうか、その見解だけで結構です」と呼ぶ)

私どもとしては不当に占拠されておる、かように考えております。

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日本共産党 中林佳子
不当に占拠されているということは、侵略されているととっていいわけですね。

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説明員(外務省アジア局北東アジア課長) 股野景親
ただいま先生から御質問のございました、現在の竹島が韓国側によって不法占拠されているという事態について、これは侵略と言うのかどうか、こういう御質問でございますが、この点われわれとしては、現状は不法占拠ということが一番現実に合った状況であろうかと思っております。

侵略に当たるかどうかという問題でございますが、これは何をもって侵略と言うかという点はなかなかむずかしい問題もございますので、この侵略に当たるかどうかということは一概にここで論ずるということもむずかしいかと存じますので、不法占拠に当たるというのが現状に一番合ったものだと考えております。

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日本共産党 中林佳子
一国の総理が侵略だと言うことができるということをはっきり国会の答弁で言っているわけですよ。それをいま言えるかどうかわからないというようなことで覆していいものかどうか、大変疑問に思うわけですが、これで論議したって事が始まりませんので、実際は武力でもって侵略されている、これが現実だと私は思うわけなんです。