昭和31年05月24日 参議院 内閣委員会

[134]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
竹島は日本が侵略されておるのじゃないでしょうか、そういうお考えじゃございませんか。

[135]
防衛庁長官 船田中
竹島の問題は、これは日韓の外交折衝によってどうしても解決していくべき問題でございまして、この行政協定24条の発動を待つべき問題というふうには政府は考えておりません。

[136]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
どういう方法でこれを解決つけるかということを私は聞いておるのじゃないのです。竹島は現在日本が侵略をされておると考えなきゃならぬのかどうかということを聞いておるのです。あなた方は竹島というものは……、じゃ、もう一ぺん初めから聞きます。竹島というものは日本の領土ですか、どうですか。

[137]
防衛庁長官 船田中
日本政府としては日本の領土というふうに考えておるわけでございます。

[138]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
日本の領土が他国によって占拠されておるのは、それは侵略じゃないのですか。

[139]
防衛庁長官 船田中
行政協定24条の適用を受くべき該当要件として、すなわち日本の地域において侵略が起ったというふうには、政府は解釈いたしておりません。

竹島の問題は、どこまでも日韓の外交折衝によって解決をしていきたいと、かように考えておるわけでございます。

[140]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
私はこの解決の方法を聞いているのじゃないのです。政府はどういう工合にしてこれを解決するかということを聞いておるのじゃなしに、あれは侵略であるかどちかということを聞いておるのです。

あなたは、あれは日本の領土だというふうに考えておられる。鳩山内閣、政府としてはそう考えておる。けれども、日本の領土として考えておるところに他国の軍事力かどうかしれませんが、とにかく占拠を受けておるでしょう。それを侵略と言われるのか、言われぬのかということを聞いておる。

[141]
防衛庁長官 船田中
この点は歯舞、色丹についても同様でございまして、行政協定24条の適用を受くべき侵略行為が起っておるというふうには、政府は解釈いたしておりません。

[142]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
この際一つ船田さん、余分なことは抜きにしましょう。簡明率直にいこうじゃありませんか、竹島は侵略されておるのかどうかということを聞いておるのです。余分なことは一切抜きですよ。

[143]
防衛庁長官 船田中
しばしば申し上げるように、行政協定24条の適用を受くべき侵略行為が起っているというふうに、政府は解釈いたしておりません。

[144]
日本社会党(社会民主党) 江田三郎
重ねて言いますよ、余分なことはよろしい。(「委員長、注意を与えろ」と呼ぶ者あり)

竹島は日本の領土だとあなた方は考えておる。それを他国の兵力を使っているのかどうか知らんけれども、占拠されている。それは侵略かどうかということを聞いているのですよ。形容詞は一切抜きですよ。

[145]
防衛庁長官 船田中
ですから、私は行政協定24条の適用を受くべき日本の地域に侵略が起ったというふうには見ておらないと言っておるわけであります。