昭和28年11月05日 参議院 地方行政委員会

[064]
日本社会党(社会民主党) 秋山長造
この竹島が日本領であるにもかかわらず、向うの領有だと言って、いろいろ行ったり来たりしているということは、我々の常識上からこれは韓国の日本領に対する侵略だと考えるのですが、そう考えてよろしうございますか。

[065]
外務大臣 岡崎勝男
これも非常に常識的な問題になりまして、領土の紛争というものはどこでもあるわけでありまして、日本でも、過去においては例えば西沙島、東沙島というのが海南島の向う側にありますが、これに対する領有権は、中国と日本との間に長い間、何10年の間争って来たことがあります。又新らしくは新南群島の領有権について長い間争って来たということもあります。これは実は戦争の結果解消したという結果になりましたが、若し戦争がなければ未だに争っていたと思います。

それだから竹島も長くかかるというわけじゃありませんが、領土問題は由来なかなか時間がかかりますので、これは例えばフランスと日本との間には非常に友好的な関係があって、貿易にしましても、その他の問題にしましても随分手を携えてやっておったにもかかわらず、或る領土、島の問題になりますと随分争っておる。

この争いと友好関係というのは非常にぶつかる場合もありまして例えばチャコの領有という、南米では2カ国間で戦争にまでなろうとしたくらいの問題もありますが、同時に南氷洋だとか、多くの島についてはそれほどに非常に緊張せずして、而も長い間争うということもあり得るわけであります。

この竹島の問題は、日本としては非常に本土に近いのですし、たとえ無人島といえども、これは飽くまでも領有は主張しなければいけないし、そんなに長くかかるなんて暢気なことも言っておられませんし、而も日韓会談の中で解決しなければできないという性質のものでないので、別個に取扱おう、これは方法の問題だけになります。そのつもりで只今やっております。