昭和28年07月16日 衆議院 水産委員会

[057]
自由党(自由民主党) 松田鐵藏
今まで小高委員と外務政務次官との質疑応答を承っておりまして、まったく奇異の念を感ずるものであります。竹島はどこから論議しても日本の領土であります。警察でもない、軍隊でもないというのが保安隊であります。それから海上警備隊であります。一体この海上警備隊、保安隊というものは何のためにできておるかということであります。これは失業救済のためにできておるものではないと思う。失業救済などということは、あまりにも言葉が過ぎると思う。MSA援助は、今交渉に入らなければならない段階になって、国会において、いかなる場合においても軍隊でないと言っておる。国内の治安の維持のためにという御議論、御主張であります。

竹島は日本国内である。日本の国である。日本の国に外敵が侵略しておる場合において、日本政府は、これを今までの御主張通りになされるのだったならば、なぜ警備隊を出さぬか、なせ保安隊を派遣しないか。これでこの問題を論議したならば、たとい自由党の諸君といえども、これは論議の黒星でございましょう。

要は外交そのものの――いろいろな問題もあることではあろうが、われわれがかつて岡崎外務大臣に、三国漁業協定に対して軟弱外交であり、しかしてイエス・マンであるという議論を自由党の当時やったことがある。それをまた今日繰返しおる。

竹島は完全なる日本領土である。何のために保安隊をつくっておるのだか、何のために警備隊をつくっておるのだかわからないのだが、外務次官は政府の大官でありまするから、こういう点が明確になって、今までの総理の御意見通りであるとするならば、日本が侵略されておることがはっきりわかっておるのだから、ちょっと行ってどんどんと2、3発やればいい。から(空)大砲でけっこうだ。それをやれないという理由はどこにあるものでありましょうか。この点をひとつ承りたい。

富士の裾野でどんどんやったり、今の内灘でどんどんどかんどかんやったりして日本国民をおどかすよりも、日本の国土を安全ならしめるために使用する警備隊、保安隊というものが、私は順当な方法であろうと思うのでありますが、外務次官はこれに対してどういうお考えであるか、この点お漏らしを願いたい