昭和29年09月15日 衆議院 外務委員会

[037]
自由党(自由民主党) 福田篤泰
第2は、防衛庁にお伺いしますが、今月の10日に立川の陸上自衛隊部隊におきまして、木村長官はこういう訓辞をされております。隊員に対しまして、外部の不当侵略に対し敢然として立ち向わねばならないが、自衛隊はこの大きな任務を負わされている云々。また日本国防の第一線に立っているのだという自覚と矜恃を持ってもらいたい。私は個人としてきわめて適切なる訓辞と思うのであります。

ついては具体的に、われわれが当面しておる大きな外部からの侵略について防衛庁の御意見をはっきりお伺いしたいのでありますが、たとえば2つ問題がある。

1つは例の懸案である竹島の問題であります。これは韓国側があそこに灯台をもうすでに建てた。これは情報によりますと、近く相当の数の警官隊を竹島に派遣して日本侵略から守るのだという宣伝までしておるという現状であります。しかるにわが方の監視船が銃撃を受けて逃げ帰ったりなんかしておる。

これにつきましては昨日も外務大臣にただしましたが、依然として平和的な方針によって何とかいたしたいということで、外務大臣としては無理からぬことでありますが、同時にまた差迫った、こういう緊迫したわが領土の侵略に対しましては、国民として納得できないようななまぬるい御答弁であります。

ついては、木村長官みずからこういうはっきりした訓辞をなし、その心構えを語っておるのはわれわれ同感でありますが、はたして防衛庁長官は──ここには増原次長その他海上の責任者もおられますので、その決意を伺いたいと思いますが、どういう決意をもって、またどういう具体的な処置をもって、かかる韓国側のわが領土の侵略に対処されるか、これについて具体的にはっきりと御方針を伺いたいと思います。

[038]
説明員(防衛庁次長) 増原恵吉
竹島の問題は外務大臣からもお答えがあったのでありますが、現在の段階をいわゆる武力による攻撃と見るか、あるいは不法入国というような形で見るか、大体は不法入国という形に見ることが適当ではないかというふうな考え方であります。

外部からの武力攻撃と見ました場合でも、外部からの武力攻撃と見るならば、いわゆる防衛出動を発動するという条件が整ったわけでありますが、しかしその場合におきましても、現実に防衛出動ができるかどうかということは、いろいろ周囲の事情その他を考慮して慎重に決定すべきものであります。

現在の段階において防衛出動をかけることが適当であるとは政府としては考えていない。外務大臣からも申されましたように、平和的手段によってこの問題を極力解決して行きたいというふうに考えております。