昭和35年03月31日 参議院 本会議

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自由民主党 小林英三
申すまでもなく、予算委員会におきまする質疑は、政府の施政全般を通じ、きわめて広範多岐にわたったのでございまするが、以下、そのうち若干のものにつきまして簡単に要旨を御報告いたしたいと存じます。

(中略)

また、「政府は武力攻撃に対処する行動には外交交渉等は含まないと言っているが、この場合、武力行使以外には、その他の方法で平和的に解決する余地は全くないものであるかどうか。

また竹島はわが国の領土でありながら韓国によって不法に占拠されているが、かりにこの条約が発効した際にはどうなるのであるか。

また、将来竹島問題と同様の事件が発生した場合には、第5条が発動されるのであるかどうか。」

との質疑に対しまして、岸内閣総理大臣、藤山外務大臣及び赤城防衛庁長官から、

「第5条に言う武力攻撃は、国連憲章第51条の武力攻撃であるから、当然武力をもってそれを排除するとともに、直ちに国連安保理事会に報告することとなる。

それ以外の広義の武力攻撃の場合におきましては、第4条の協議によって対処するわけで、むろん外交交渉の余地があり、あとう限り平和的に解決すべきは当然である。

竹島問題はすでに8年以前に起こった問題であり、日本は終始一貫外交交渉によって平和的にこれを解決しようと努力しているものであって、第5条に該当する問題ではない。

しかしながら、将来竹島と同じように日本の領土が外国の侵略を受けた場合においては、当然第5条が発動される。」

との答弁がありました。