平成08年05月22日 参議院 国際問題に関する調査会

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自由民主党 岡野裕
私は、御質問でありますが、長いこと国際問題、外交、防衛やってこられた上田耕一郎先輩と、それから永野先生と、お二方にお尋ねをしたいのであります。

永野先生おっしゃいましたが、およそ平和的な自由主義国家というものは侵略戦争はやらないというお話でありますが、私は、あえてベトナム戦争は、事を起こしたアメリカが自由主義、平和主義国家でないわけではないと、こう思っております。これはどういうふうに先生の理念からすると解釈したらよろしいのか、アメリカのハイチあたりについてはどういうふうになるのか、韓国の竹島侵略についてはどういうふうになるのか、などという面からお尋ねをしてみたいと。

同時に、上田耕一郎先生に伺いたいのは、この間、私、岡崎さんにこの同じ竹島のお話を質問としていたしましたけれども、合点がいくようなお答えがありませんでした。というのは、この竹島については明らかに日本領土だと、いや韓国からするならば、これは独島でおれの領土だと、長い間争いが観念上はあったけれども、実力行使的にこの岸辺に永久的な構造物を構築するというような行為は初めてだと思うのですね。これやはり外交摩擦が起こらないように我々としてはせいぜい外交関係で漁業権でも確保できればいいというような感触が岡崎さんのお話のようであります。

それじゃ、侵略されてもこのまま容認するならば、尖閣諸島はどうなるのか、あるいは北方四島はもう50年侵略されて返せ返せ返せと言っているんだけれども、いささかも返さないというような状態の中から、竹島あるいは尖閣列島を黙視するというような場合には、ロシアとしてはそんなもの返す必要があるか、50年の実績だと。今侵略しつつある竹島あたりも拱手傍観をするということであれば、もう北方四島なんか返ってこないのが当たり前だというような観念になっちゃうだろうし、それは西沙、南沙に対する中国の侵略、これあたりについても、はてさてどんなふうになるかな、非常に何というのですか、先輩にお尋ね、2点。