昭和29年03月17日 衆議院 外務・内閣・農林・通商産業委員会連合審査会

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無所属 久保田豊
それではもう一つ最後にお聞きしておきますが、非常に問題になっております李承晩ラインのような問題、特に韓国との関係においてああいう問題は、いわゆる一種の侵略であるとお考えになっているのかどうか。国民の大部分はこれを一種の侵略と考えておりますが、これの措置をどうするかということは第二段といたしまして、将来あれに似たような問題が起った場合の一つの重大問題になりますから、大臣はああいう竹島の問題もしくは李承晩ラインの問題を侵略とお考えになっているのかどうかこの点をお聞きしたい。

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外務大臣 岡崎勝男
これは先ほどの自衛の措置と関連しまして、非常に限定して考えなければならない問題であってて、もしああいう問題を侵略と考えれば、自衛措置が講ぜられるわけで、そうしますと、自衛行為というのが非常に広義に解釈されてしまうのであります。われわれは実際に日本の領土を侵略する行為を侵略行為と考えまして、その場合には必要最小限度の自衛措置を講ずる、こういうつもりでおります。

但し公海におきましてある線を画してその中に権利を主張する等は、これは国際法的に見ましても、またほかのいかなる見地から見ましても、不当の措置には違いありません。これについては平和的な方法におきまして解決すべく、できるだけの手段を講ずるつもりでおります。