昭和39年12月10日 参議院 予算委員会

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日本社会党(社会民主党) 瀬谷英行
漁業交渉が始まる前に、ともかく韓国が日本の漁船を抑留をしているという状態では話にならぬ。漁船並びに船員の釈放ということが漁業交渉の前提にならなければならぬということを日本政府の態度として表明したわけです。その方針が今日でも変わっていないとするならば、たとえ拿捕しなくても、追っかけ回わしているという事実があれば、ここでもって漁業交渉はストップさせるという態度をとってしかるべきではないかと思うのです。

それから竹島に韓国が駐留をしているということは、漁船の捕獲と同じような領土の侵略ということになるのでありますが、これらのことも考えてみるならば、やはりこういう問題は片をつけてから交渉に入るというのが私は常道ではないかと思うのでありますが、農林大臣の見解を伺いたい。

[194]
農林大臣 赤城宗徳
私どもは漁業のほうに関係を持っております。竹島の領土の問題と漁業とは関連せず交渉を進めてきたわけでございます。

そこで漁業問題につきましては、拿捕をするというようなことがあっては漁業交渉の再開ができない、いまお話のように、追いかけてきてあるというようなこともありますので、それぞれの委員会を通じて厳重に抗議を申し込んで、そういうことがないように、そういうことがもし続くということならば、この漁業の交渉も中断せざるを得ないじゃないかというふうな話し合いをしておるわけであります。