平成08年02月23日 衆議院 運輸委員会

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新進党 米田建三
亀井運輸大臣は、過日の当委員会における所信表明で、「国連海洋法条約の早期締結を目指し、国内法制の整備及び海上保安業務執行体制の充実強化に努めてまいります。」と述べられました。まさに同条約に係る東経135度以西の海域における排他的経済水域の設定に関連をいたしまして、竹島問題が再燃をしております。

韓国では、日章旗やあるいは我が国池田外相の人形が焼かれ、あるいは同国政府も同国の世論を扇動し、対馬も韓国領土であるというふうなばかげた主張すら韓国の世論の中には出現をするに至っているわけでございます。また、2月の15日には韓国海空軍の軍事演習も行われました。

まず最初に伺いたい点は、島根県竹島が、歴史的事実に照らしても、あるいは国際法上も我が国固有の領土であるということを確認をしておきたいわけでありますが、外務省に我が国の主張の論拠についてまず御説明をいただきたいと思います。

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説明員(外務省経済局海洋課長) 高田稔久
竹島の領有権に関します我が国の論拠でございますが、竹島に関しましては、古くから我が国の領有権を明確に示します文献あるいは地図が残っております。例えば江戸時代の初期には、伯耆藩、鳥取でございますが、伯耆藩の大谷、村川両家が現在の竹島を幕府から拝領し、経営をしていたという記録がございます。

また、1905年2月には、閣議による決定及びそれに続く島根県告示によりまして、日本政府は近代国家として竹島を領有する意思を再確認しております。

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新進党 米田建三
一方、韓国側も、韓国の立場として自国の領土であるということを主張しておるのですが、この韓国側が掲げている論拠、そしてそれに対する我が国の反論、要点をひとつ簡潔に御説明を願いたいと思います。

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説明員(外務省経済局海洋課長) 高田稔久
韓国側は、例えば15~16世紀ごろの古文献に、竹島につきまして、干山島あるいは三峰島という名で記述があるというようなこと、あるいは戦後、日本占領及び戦後処理のためのGHQ覚書等を根拠に、竹島が韓国の領土である旨、主張をしているものと承知をしております。

しかし、韓国側の挙げております文献からは、その干山島あるいは三峰島が竹島に該当していることを実証できるような積極的な根拠はないというふうに我々考えておりまして、むしろそういう文献はそれが竹島でないということを示しておるものでございます。

それからGHQの覚書等につきましては、かかる措置が日本国の領土の最終決定に関するものではないということが明記されておりまして、韓国側の主張は全く根拠がないと考えております。

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新進党 米田建三
元禄9年、西暦1696年に、李朝時代の文献に、安龍福という人物がウルルン島や竹島にいる日本人を退去させ、日本において交渉したという歴史的事実があるのだということを韓国は主張の一つに掲げているわけでありますが、これはどうなんですか。

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説明員(外務省経済局海洋課長) 高田稔久
安龍福の件につきましては日本側の記録等と大変異なっておるところがございまして、我々としては、これは信憑性がないものと考えております。

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新進党 米田建三
あえて当局に説明をしていただいたのですが、私も私なりにこの点、いろいろと勉強させていただきましたが、竹島が我が国の固有の領土であるということは明らかであるというふうに思っておるわけであります。

そこで、亀井大臣にひとつお願いがあります。

大臣、今当局の御説明で、竹島が紛れもない我が国の固有の領土であるということを私も改めて確信をしたわけであります。そこでひとつ大臣に、大臣の人形もまた韓国で焼かれてしまうかもしれませんが、ひとつここではっきりと、国務大臣として、竹島が、島根県竹島が我が国の領土であるということを明言をしていただきたい。

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運輸大臣 亀井善之
先般来、池田外務大臣がお話を申し上げておりますように、私もそのような認識を持っております。

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新進党 米田建三
さてそこで、韓国は1952年にいわゆる李承晩ラインを設定をいたしまして、そのラインの中に竹島を含めたわけであります。そして、その2年後の1954年からは、同国の官憲を常駐せしめまして、国策によって韓国人民間人を所在せしめたり、あるいは各種施設の建造等、あからさまに不当な行為を積み重ねてまいりました。また2月8日には、同国外務部が接岸施設の建設の予定も発表をしておるというふうに聞いております。

辞書をひもときますと、他国を侵して土地を奪い取ることを侵略という、こういうふうになっておるわけでありますが、一連の韓国の行為は紛れもない侵略であるというふうに考えますが、大臣の認識を問いたいと思います。

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運輸大臣 亀井善之
今委員御発言のようなお話、そういうことになりますれば、形式的にはそのようなことになろうかと思います。

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新進党 米田建三
形式ではなくて、我が国領土であるわけでありまして、そこに同国の官憲を常駐せしめています。これはもう侵略なんですね。実際に侵略をされておるわけであります。

この1954年以降の韓国の侵略行為に対しまして、我が国領海内の主権の確保を重要な使命の一つとする海上保安庁がどのように対処をしてきたのか、御説明願います。

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政府委員(海上保安庁次長) 加藤甫
私どもの立場は基本的に警察・治安機関ということでございまして、したがって、現実に当該の水域が韓国側に実効支配されているという現実は残念ながら認めざるを得ないということが前提に相なるわけでございますが、海上保安庁といたしましては、我が国漁船の安全の確保をするというような観点から、同島の周辺海域に巡視船を常時1隻配備いたしまして、我が国漁船の拿捕防止のための指導あるいは情報提供を実施するとともに、我が国漁船の出漁状況等を勘案して、必要に応じて巡視船を増強配備し、警戒を行っているというような状況でございます。

そしてさらに、外務省の要請によりまして、従来から、竹島の現状を把握するための調査を巡視船により実施をしてきているという状況でございます。